[Dobot Magician] アームが指定位置からずれてしまう際の対処法

Dobot Magicianに関するFAQです。

お問い合わせ内容:

SetPTPCmd等で指定した同じ位置に対して、時折アームが少しずれた位置(~10mm)に移動することがある。

アーム動作にずれが生じる場合には、原因となるいくつかの可能性が考えられます。お困りの方は以下の点を参考に、いま一度お手元にてご確認いただけますと幸いです。


本体機器の状態を見る

・モーターが空転(脱調)した

アームが障害物にぶつかりモーターの脱調が発生すると、アームに指定した(x, y, z)の座標位置と実際のアーム位置とがずれてしまいます。

このような場合、ホーミング動作によりずれが補正されます。

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[wc_accordion_section title=”ホーミングの方法”]

ホーミングは本体背面のKeyボタン長押しにより行えます。

そのほか、DobotStudioをお使いの場合は画面上のHOMEボタンからも行えます。

また、Teaching & Playbackで作成したオフラインプログラムをDobot Magicianへダウンロードする際には、はじめにホーミング動作を追加することもできます。

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・キャリブレーションが必要な状態にある

アーム搬送中にゆがみが生じた等によりアーム本体にずれが発生した場合は、キャリブレーションを行うことでずれが補正されます。

キャリブレーションの実施方法に関しては、Dobot Magician User Guide

https://www.dobot.cc/downloadcenter/dobot-magician.html?sub_cat=73#sub-download

よりCalibrationの章をご参照ください。

・振動の多い場所や傾斜のある場所に設置している

本体が振動の伝わってくる場所や水平でない場所に設置されている場合、リセット後やホーミング時に行われるキャリブレーションが正確にできず、アームの動作にずれが生じることがあります。

特にホーミング時にアームが微小な動きを繰り返す時間が長い場合、こちらのケースに相当します。設置場所を見直す等の対応をお願いいたします。

本体の操作を確認する

・台座のLEDが緑色に点灯してから動作させる

起動後やホーミング後にアーム本体からビープ音が鳴った後でも、台座のLEDが点滅している場合にはまだキャリブレーションを行っている最中の可能性があります。この時にアームを動かすと、動作時にずれが生じる可能性があります。

ビープ音が鳴った後しばらくお待ちいただき、台座のLEDが緑色に点灯したことを確認してから、アームを動かしてください。

・RESETボタン押下後、再実行の前にホーミングを行う

本体背面のResetボタンを押すと、Dobot Magician本体の現在位置もリセットされランダムな値が割り振られます。たとえばホーム位置(230, 0, 90, 0)にアームがある時にリセットを行うと、現在位置には(164, 0, 6, 0)や(165, 0, 6, 0)のような値が割り振られ、原点の位置がずれます。

この状態のまま再実行を行うと、アームの位置ずれが生じます。リセットボタンの押下後はホーミングを行い、原点位置を修正する必要があります。

プログラムを確認する

・ファームウェアの不具合

ファームウェアの不具合によってアーム位置がずれてしまうケースがあります。

古いファームウェアをお使いの場合、ファームウェアを更新することで改善する場合があります。

・アームに取り付けたエフェクターのオフセットが異なっている

Dobot Magicianでは、エフェクター(吸盤やグリッパーなど)の中心位置を基準に(x, y, z)の座標を定義しています。エフェクターの取り付け位置を変更すると、アームの向きによってエフェクターがずれているように見えることがあります。

エフェクターをどの程度ずらして設置したかのオフセット値を指定するAPIである

SetEndEffectorParams

を用いることで、上記の問題を考慮した動きになります。