Tinker Board S にはeMMCが搭載されており、microSDカードなしでOS起動が可能です。
実際に試しながらOSインストール方法をまとめました。
内容
1. インストールに必要な機材およびソフトウェア
- Tinker Board S 本体
- Windows PC (USB2.0インタフェースを持つもの。
USB3.0ではうまく認識できないようです) - micro USB – USBケーブル(データ通信可能なもの)
- Win32DiskImager もしくは Etcher
- TinkerOS Debian v2.0.4 (もしくはそれ以上の版) のイメージファイル
特に、USB2.0のインタフェースが必要なことと、データ通信可能なmicroUSBケーブルが必要なことはご注意ください。
PCにUSB3.0しかない場合には、USB2.0のハブをはさむことでも認識できるようになります。
※2018/3/2にリリースされたTinkerOS Android v13.13.0.74で、USB3.0が使えない問題は解消いたしました。
今回、Windows PCは、Windows 7で試しましたが、windows 10でも同様にできると思われます。
Win32DiskImagerのダウンロード:
https://sourceforge.net/projects/win32diskimager/files/latest/download
Etcherのダウンロード:
TinkerOS Debianイメージファイル(v2.0.4もしくはそれ以上の版)のダウンロード:
https://www.asus.com/Single-Board-Computer/Tinker-Board-S/HelpDesk_Download/
Win32DiskImagerもしくはEtcherをダウンロード後、Windows PCにインストールしてください。
また、TinkerOS Debianイメージファイルはzip形式で圧縮されていますので、予め展開しておいてください。
2. 接続方法
Tinker Board S のジャンパ設定はデフォルト状態(変更なし)でOK。
Tinker Board S のmicro USBコネクタにUSBケーブルを繋げる。
USBケーブルのもう一端をWindows PCに繋げる。
3. OSの書き込み
・Tinker Board SとWindows PCとをUSBケーブルで接続すると、Tinker Board Sが、Windows PCからリムーバブルディスクとして認識されます。
Windows PC側は、USB2.0インタフェースに接続してください。USB3.0ではうまく認識できないようです。
それでも認識されない場合、USBコネクタの接触を確認してください。
また、電源供給用のUSBケーブルには、データ通信が行えないものがあり、そのために認識できないケースもあります。
うまくいかない場合には、他の機器を接続して認識された実績のあるUSBケーブルをご用意ください。
・認識が完了したら、Win32DiskImagerもしくはEtcherを起動して、書き込み先等設定して、書き込み実行してください。
ここでは、Win32DiskImagerの例を示します。
認識されたドライブを選択し、TinkerOS Debianイメージファイルを指定して、書き込みを開始します。
・書き込み完了!
今回は8分30秒ほどで書き込み完了しました。
書き込み時間は、機材等により変わる可能性がありますので、目安と考えてください。
4. 起動してみる
起動の際に、もちろんmicorSDカードは必要ありません。
HDMIディスプレイ、キーボード、マウス、電源を接続して起動してみます。
初回起動時のみ、領域確保のため若干時間がかかりました。
初回: 約50秒
2回目以降: 約20秒
起動後、lsblkを実行すると、eMMCはmmcblk1として認識されていました。
弊社7インチタッチパネルディスプレイも動きます。
#天井灯が映り込んで「まゆげ」になってますね。
注意事項
ACアダプターによっては、Tinker Board Sが起動しない場合があります。
Tinker Board SをPCにつないだときには認識されるのに、ACアダプターにつなぐと起動しない場合、いくつかのACアダプターをお試しください。
弊社で販売しているTinker Board向けのACアダプターは起動できることが確認できております。
5. 追記1・TinkerOS Androidをインストールする
TinkerOS Debian と同じ手順で TinkerOS Android を Tinker Board S のeMMCにインストールしてみました。
インストールするイメージファイルは、TinkerOS Androidイメージファイル (v13.12.0.43 もしくはそれ以上の版)です。
TinkerOS Androidイメージファイルのダウンロード:
https://www.asus.com/Single-Board-Computer/Tinker-Board-S/HelpDesk_Download/
書き込みは4分30秒ほどでした。
書き込み後、起動すると、初回起動時のみ、領域確保のため若干時間がかかりました。
初回: 約2分10秒
2回目以降: 約25秒
6. 追記2・eMMCとmicroSDカードの両方にOSがある場合
eMMCとmicroSDカードの両方にOSをインストールした状態ではどのように認識されるのか?、実際に確認しました。
Tinker Board Sは、ブート時、eMMC、microSDカードの順でチェックします。
eMMCとmicroSDカードの両方にOSが入っていれば、eMMCの方のOSが立ち上がり、microSDカードのOSはデータ(ファイル)として見えるだけとなるはずです。
実際にやってみると、下記の写真のようになりました。
・eMMC(mmcblk1)は、/bootおよび/ (root)にマウント
・microSDカード(mmcblk0)は、/mediaの下にマウント
以上