本稿ではDOBOT MG400(Magician Pro)のスペックに関する事項を中心に、よくあるご質問と回答を記載しています。
産業用途を意識したモデルとして、従来のDOBOT Magicianと比べどのように進化しているのでしょうか。導入をご検討中の方は、こちらを参照いただければと思います。
内容
- 本体インタフェースについて
- [Q. ] MG400では24VのデジタルI/Oが16点ずつあるが、Magicianのように3.3Vと5Vが混在しているわけではない?
- [Q.] I/Oの接続にはどのような端子が必要か?
- [Q.] 2つあるLANポートはどちらも同じように使えるか?
- [Q.] LANポートを、hubや社内ネットワークにつなげて遠隔PCのDobotStudioで制御できるか?
- [Q. ] MG400の裏側にある “AIR” というコネクタはどのようなものか?
- [Q. ] MG400の裏側にある “E-STOP” というコネクタはどのようなものか?
- [Q. ] MG400の裏側にある “ENC” というコネクタはどのようなものか?
- 動作精度に関わる事項
- DobotStudio2020での動作について
本体インタフェースについて
[Q. ] MG400では24VのデジタルI/Oが16点ずつあるが、Magicianのように3.3Vと5Vが混在しているわけではない?
はい、その通りです。すべて同じスペックの24V I/Oとなっています。
[Q.] I/Oの接続にはどのような端子が必要か?
MG400には、以下の写真に示す端子台が4個付属しています。
仕様の詳細については、下記リンクをご参照ください。
また、以下のリンクは国内で入手可能な互換品となっております。どちらも付属品の端子台とは色が異なり、緑色のみとなります。
https://www.digikey.jp/products/ja?keywords=277-14480-ND(MG400との接続確認済み)
https://www.digikey.jp/products/ja?keywords=609-4569-ND(MG400との接続未確認。寸法情報のみで判断)
[Q.] 2つあるLANポートはどちらも同じように使えるか?
2つのLANポートは機能が異なります。LAN1はPCとの通信に使用するものです。LAN1のIP アドレスは192.168.1.6に固定されており、変更できません。LAN2は外部デバイスとの通信を行うためのLANポートです。LAN2のIPアドレスは変更可能です。
[Q.] LANポートを、hubや社内ネットワークにつなげて遠隔PCのDobotStudioで制御できるか?
同じローカルネットワーク (IPアドレス: 192.168.1.XXX) であれば、DobotStudio2020から遠隔制御が可能です。
[Q. ] MG400の裏側にある “AIR” というコネクタはどのようなものか?
こちらにチューブを接続し、サクションカップやグリッパーの操作を行います。Magicianではエアチューブは外付け配管していましたが、MG400はエアチューブが埋め込まれています。MG400の裏側のコネクタにポンプのチューブを接続し、手先の同様のコネクタにアタッチメントのチューブを接続することで、使用できます。
[Q. ] MG400の裏側にある “E-STOP” というコネクタはどのようなものか?
付属の緊急停止ボタンを接続するための端子です。回路図は下図の通りとなっております。
[Q. ] MG400の裏側にある “ENC” というコネクタはどのようなものか?
エンコーダの入力です。ユーザーガイドでは、こちらにコンベアベルト等からのエンコーダ入力を行うことによって、移動している物体をつかみにいくような動作が可能と記載されています。ピンの割り当ては下図の通りです。
なお、現在のところコンベアベルト等のオプション取り扱いのアナウンスはされておりません。
Dobot Magician用のコンベアベルトは、MG400での動作はできませんのでご注意ください。
動作精度に関わる事項
[Q. ] ペイロードが500gと750gの2通りあるのはなぜか?
精度を保つ場合には500gまで、多少精度が悪くても構わない場合には750gとなります。
[Q. ] 「Magicianでは、可動域ぎりぎりの位置において精度が落ちる(可動域ぎりぎりの位置では仕様にあるような精度は維持できない)」という話があったが、MG400ではどうか?
MG400では産業用を意識したモデルであり、アームの位置によらず精度が維持されるような、しっかりとしたつくりになっています。
[Q.] Magicianでは繰り返し精度が維持されず、ずれを生じることがあったが、MG400ではどうか?
MG400は産業用を意識したモデルであり、繰り返し精度についても維持できるよう、しっかりとしたつくりとなっています。
DobotStudio2020での動作について
[Q. ] DobotStudioによるBlocklyプログラミングで、従来はdirect teachによる座標指定ができなかった。DobotStudio2020でこの問題は解消されると期待してよいか?
DobotStudio2020では、ポイントリストという機能があります。この機能により、座標に名前をつけてBlockly内で参照できるようになりました。
direct teachで指定した座標をポイントリストに登録することで、Blocklyの移動系ブロックの引数において指定した座標値を使用できます。
[Q.] Dobot Studio 2020のスクリプトでは並列処理や割り込みを記述できるのか?
Dobot Studio 2020のスクリプトでは、Lua言語がサポートされます。Pythonのサポートについては、時期が未定となっております。
マルチスレッドに対応していますので、Lua言語での並列処理は可能です。なお、スレッドは5つまで追加することができますが、Motionコマンド(MG400の動作に対応した命令文)が呼び出し可能なのはメインスレッドのみとなります。割り込みについては、サポートされていません。
[Q.] Magicianではホームポジションの座標をキーボード入力できるため、可動域でない座標を設定できてしまう問題があった。MG400でもそのような問題は発生しうるか?
MG400では、そのような問題は発生しません。ホームポジションを設定する際に、座標を直接キーボードから入力することはできません。ダイレクトティーチによる指定のみとなりますが、その場合、可動域外の座標の指定はハードの制限により不可能です。